歴史散歩~世にも奇妙なお寺たち7~

今回は少し足を延ばし野田エリアの曹洞宗2ヵ寺の秘密を探りに出かけました。

先ずは700年以上の歴史を持つ大乗寺へ。厳格な禅寺とあって公開エリアが極端に狭い中、非公開の仏殿拝観は値千金でした。覗き窓からは決して見られない美しさと荘厳さをしっかりと眼に焼き付けて参りましたよ。

加賀八家 本多家墓所の傍には「十二義士の墓」が。 11代当主本多政均暗殺に加担した尊攘派に天誅を下し、墓前に首級を供え切腹した12名の家臣たちが静かに眠っています。まさに明治の忠臣蔵!これが日本法制史上最後の切腹刑となり、翌年に仇討禁止令が発布される程のセンセーショナルな事件でした。

お次は天狗を祀る桃雲寺へ。愛宕山の太郎坊、秋葉山の三尺坊、鞍馬山は僧正坊と、信仰の対象となる大天狗には〇〇坊の名が付いており、桃雲寺には九萬坊・八萬坊・照若坊の三権現がおわします。尾山御坊跡地に築城された金沢城はその昔、信長の命で処刑された一向宗徒の怨念渦巻く魔所でした。利常公の時代、金沢城の森に棲まう九萬坊たちに頼み三小牛奥に坐する黒壁山にその魔を封じ込めてもらったという伝承が残っています。或いはその魔を九萬坊として恐れ崇めたのやもしれません。明治に入り、お告げに従い九萬坊は黒壁山から桃雲寺に遷座されましたが、現在も黒壁山には九萬坊大権現を祀る奥の院が。天台宗の黒壁山薬王寺が管理しています。かなり急な石段を登りますが、いかにも天狗様が棲んでいそうな石窟は雰囲気・見応え共に十分。気になる方は是非。

金沢にはまだまだ不思議なお寺がいっぱい。来年も「世にも奇妙なお寺たち」のご参加お待ちしております。

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